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介護の現場における孤食などの問題

孤食と入手困難問題

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孤食と入手困難問題

高齢者の食事の実情

健康的な食生活を心がけている高齢者の割合は多いですが、本当に栄養素のバランスが適切に取れている食事を用意できているかどうかは別です。意識はしているものの、実際には栄養素のバランスが悪い食事になっている人も少なくありません。毎日しっかり食べていても、要介護のリスクが高くなるような栄養素の低い食事になっている傾向が見受けられます。60代以上の高齢者で弁当や総菜を利用する人の割合は3割を超えています。弁当や総菜を頻繁に利用しているとどうしても栄養素が偏ってしまうため何らかの対策が求められるでしょう。こういった、食生活に対する意識は高いものの実際には栄養素のバランスが悪い状態の高齢者が多い背景には、孤食と食品の入手困難問題があります。

孤食のリスク

60代で1人だけで食事をしている人の割合は男性で22.7%、女性で28.4%です。70代になると男性で20.0%、女性で33.5%です。この数字から分かる通り、高齢女性のうち4人に1人は孤食状態に陥っています。これは、高齢女性の一人暮らしが多いことも要因として挙げられます。孤食について、「本当は1人で食べたくないものの一緒に食べる相手がいない」という人が3割以上もいます。これは少子高齢化や独居世帯の増加による社会問題ともいえるでしょう。
孤食は自分以外の食事を用意する機会がないため栄養素のバランスが偏ってしまう傾向が強まります。食べる力が弱まるためどうしても自分が食べやすい食事に偏るだけでなく、食欲そのものが低下します。食事量が減れば、当然ながら必要な栄養素を摂取することができなくなり、筋肉量は減り活力も低下してしまいます。それによってさらに食欲が低下し、栄養素が不足していくといった悪循環に陥るのです。食事の用意そのものが面倒になり、簡単な食事や総菜などで済ませてしまう人もいるでしょう。食欲不振だけでなく、うつ病を発症する要因にもなり得ます。

食品の入手困難問題

また、食品の入手困難問題にも目を向けなければなりません。食品を買いに行く店まで500m以上、かつ65歳以上で自動車を利用できない人は全国で825万人もいるとされています。65歳以上の高齢者の約25%もの人が食品を入手するのが困難な状況です。食品を入手できないので本来求められる栄養素のバランスが整った食事を用意できず、低栄養状態に陥ってしまいます。こういったリスクを避けるため、最近では宅配サービスや買い物代行、移動販売、小規模店舗の設置といった取り組みが各地域で進められているようです。

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