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食事介助で知っておきたい食事拒否の対応

食事拒否の際の対処法

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食事拒否の際の対処法

本人の気持ちを尊重する

食事拒否をされた場合に気をつけたいのが、食事を無理やり進めないことです。食事を無理やり進めることは、高齢者本人にとって大きなストレスになるケースがあるからです。食事の時間は、楽しいものだと認識してもらうことが基本といえます。そのため、高齢者の気持ちを優先する必要があります。もしも高齢者の気持ちを尊重せずに食事を進めてしまうと、食事の時間が苦痛な時間となり、食事介助自体が捗らなくなることもあります。
食事は介護計画などに差し支えない範囲を前提に、高齢者一人ひとりの身体状況や好みを考慮したうえで可能な限りメニューに反映させるのが望ましいです。食事拒否をされてもまずは高齢者の気持ちを尊重し、無理強いをしないように食事を進めていきましょう。

食器を工夫する

食事拒否の対処法として、食器を工夫するのも効果的だといわれています。実際の介護の現場でも、食事拒否の対処法として食器を工夫している施設が多いようです。柄物の食器だと、食べ物が同化して判別がつきにくかったり美味しそうに見えなかったりする場合があります。そのため、無地や白一色の食器など、食べ物が際立つデザインの食器を用いることで効果が期待できるかもしれません。
他には、お箸などのカトラリーに目を向けてみるのもおすすめです。食事拒否の理由に、お箸を使いづらいことも考えられます。高齢になると手先のしびれなどで巧緻性が低下することがあり、そのためにお箸を使いづらくなる方もいます。食事中にお箸を使いづらそうにしていないか、しっかり確認しましょう。もしもお箸を使いづらいようであれば、フォークやスプーンに適宜変えて様子を見るのも一つの方法です。

認知症の高齢者の場合

高齢者のなかには認知症の症状が出ている方もいます。認知症の症状には、「失認」と「失行」があります。「失認」は目の前のものを認識できなくなり、「失行」は今までできていた行動ができなくなることを言います。特にそうした症状のある方の場合、食べ物を認識できないケースも考えられます。また、食べ物を食べるという行動そのものがわからなくなっている可能性もあります。
このような認知症の高齢者の食事拒否に対しては、介護者が目の前で食べる行動を見せて、一緒に真似してもらう方法があります。他には、目の前にあるのがどのような食べ物なのか、説明をしながら食事介助をする方法も効果的だとされています。食事の香りを立たせて嗅覚を刺激するのもよいでしょう。「失認」「失行」があっても、食事そのものに対してポジティブなイメージを持ってもらえるように工夫を凝らしてみてください。

食事介助の正しい方法を知りたい人へ

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食事拒否の際の対処法

食事介助の際に食事拒否をされると、そのあとの業務が滞るので焦ってしまう人も多いでしょう。食事拒否は、認知症の症状からくることもあります。食事拒否への対処法をあらかじめ身につけておくと、高齢者一人ひとりに合う方法を試しやすくなります。

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姿勢や手順をおさらいしよう

食事介助の手順を紹介します。まずは正しい姿勢を取ってもらい、それが崩れないようにサポートします。箸やスプーンで食事を口に運ぶ際には必ず下側から運びましょう。バランスよく口に運び、相手のペースに合わせて無理せず食事をしてもらうように心がけてください。

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