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食事介助をより安全かつスムーズに行うために専用の福祉用具を使いましょう。まず、自力で食事ができる人におすすめなのがグリップつきのスプーンやフォークです。軽くて柄が太く握りやすいので握力が弱まっている高齢者でも安全に使えます。また、先曲がりスプーンやフォークを使えば手首を返さずに食べ物をすくうことができます。箸を使う場合はバネがついていて掴みやすい自助箸がおすすめです。
食事介助が必要な高齢者をサポートする際にはKスプーンを使いましょう。通常よりも小さく平らになっているので一口の量が多くなり過ぎることがありません。また、小さいので口に入れやすく口内でひっくり返すことも可能です。スプーンで食事を口に運ぶ際には下から口に入れてくぼみが上唇の真ん中に触れるようにしてください。奥まで入れ過ぎないようにして、口が閉じたことを確認してから引き抜きます。
食事中、急に元気がなくなったり呼吸が乱れたりした場合は誤嚥の可能性があります。声をかけても返答がなく、咳が止まらないなどの症状が出た際は即座に対処しましょう。気管内の異物を除去する方法はいくつかあります。まずは指でかき出す方法です。食べ物が口内やのどに溜まってそれが外から見えている場合、相手の正面に立って入れ歯を外し、ガーゼやハンカチを指に巻いて溜まっている異物をかき出します。異物が固まっておらず流動的な場合は背部叩打という方法を用います。座らせるか横向きに寝かせ、左右の肩甲骨の間を手のひらで数回叩き吐き出させます。その他には腹部圧迫法、別名ハイムリッヒ法があります。腹部を急激に圧迫し、胸部や気管内の圧を上げて異物を吐き出させる方法です。相手を立たせるか座らせた状態で背後に回り、片手でグーの形を作りみぞおちに置き、反対の手で抱くようにして手首を握ります。そして勢いよくみぞおちを押して腹部を圧迫します。
これらの方法でも吐き出せない、あるいは意識が戻らないなどの重篤な場合は早急に救急車を要請してください。座らせることができない場合は仰向けにして太ももの上に座り、手のひらをみぞおちに重ね、腹部を強く圧迫しましょう。その他にも、電気掃除機を用いて気管内の異物を除去するケースもあります。お餅をのどに詰まらせた高齢者がこの方法で助かったというニュースを見たことがある人も少なくないでしょう。もし、意識がなく脈も確認できないようであれば、救急車が到着するまで心肺蘇生法を継続して行ってください。
食事介助の際に食事拒否をされると、そのあとの業務が滞るので焦ってしまう人も多いでしょう。食事拒否は、認知症の症状からくることもあります。食事拒否への対処法をあらかじめ身につけておくと、高齢者一人ひとりに合う方法を試しやすくなります。
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食事介助の手順を紹介します。まずは正しい姿勢を取ってもらい、それが崩れないようにサポートします。箸やスプーンで食事を口に運ぶ際には必ず下側から運びましょう。バランスよく口に運び、相手のペースに合わせて無理せず食事をしてもらうように心がけてください。