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まずは食事をする前に体調を確認してください。熱はないか、食欲はあるか、呼吸の乱れはないか、覚醒状態か、その他何か変わったことはないかを確認します。いつもと違う点があれば食事の内容も変えなければなりません。注意深く観察しましょう。
食事の前には排せつを済ませておきます。食事の最中に排せつに行きたくなると食事に集中できず、食べてもらえないかもしれません。排せつを無理に我慢したり、逆に排せつに行くために急いで食事したりといった問題も起こります。集中して食事をしてもらえるよう、まずは排せつを促しましょう。
快適に食事をしてもらうための環境作りも大切です。騒がしい場所では集中して食事ができないのでテレビなどはなるべく消した方がいいでしょう。また、食事をする場所は清潔に保ってください。不快な臭いが漂っていないかなども確認しましょう。
食事前にはうがいや歯磨きをして口内を清潔にしておきます。特に嚥下障害が見られる人は誤嚥のリスクがあるので注意してください。口内が汚れていると細菌が気管に入り嚥性肺炎を引き起こしてしまうかもしれません。加えて、口腔体操も行います。口腔体操を行うことで唾液の分泌量が増え、食事をしやすくなります。
高齢者に限ったことではありませんが、食事の前に手を洗うことは大切です。食事介助を受ける高齢者だけでなく、食事介助をする側もしっかり手洗いをしましょう。手洗いのための移動が困難な場合にはウェットティッシュなどを使って綺麗にします。
しっかり覚醒していないようであれば、「今から食事の時間ですよ」などと声がけをします。献立の説明も忘れずに行いましょう。身体機能や認知機能の低下によって、自分が何を食べているか理解できていない高齢者もいます。こういった状態だと「何を食べても同じだ」と感じるようになり拒否反応を示すようになるので、少しでも興味を持ってもらえるように食事の内容を具体的にイメージできるような説明を心がけてください。
食事中の姿勢は誤嚥を予防するために重要です。椅子に座れる人は深く座ってもらい、足の裏は床にしっかり着けるようにしてください。頭を後ろに反らさないように顎は軽く引きます。テーブルの高さの目安は肘を載せた際に約90度に曲がるくらいの高さです。テーブルが高過ぎると食事をすることが困難になってしまうので注意してください。ベッドで食事をする場合は状況に応じてリクライニングの角度を調整し、枕やクッションを使って頭を後ろに反らさないようにしましょう。
食事介助の際に食事拒否をされると、そのあとの業務が滞るので焦ってしまう人も多いでしょう。食事拒否は、認知症の症状からくることもあります。食事拒否への対処法をあらかじめ身につけておくと、高齢者一人ひとりに合う方法を試しやすくなります。
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食事介助の手順を紹介します。まずは正しい姿勢を取ってもらい、それが崩れないようにサポートします。箸やスプーンで食事を口に運ぶ際には必ず下側から運びましょう。バランスよく口に運び、相手のペースに合わせて無理せず食事をしてもらうように心がけてください。